コールセンターのKPIが多すぎるとき、まず何を見る?目的別に指標を整理
記事概要:コールセンターのKPIが多すぎるときに、目的別に見るべき指標を整理。応答率、AHT、CSAT、一次解決率、AI導入後の指標まで選び方を解説します。
本記事の目次
コールセンターのダッシュボードには、AHT、応答率、放棄率、一次解決率、CSATなど、多くの数字が並びます。管理者にとって本当に難しいのは、数字を集めることではありません。数字を見て、次にどこを直すべきか判断することです。
例えばAHTが上がっているとき、担当者の処理速度だけを疑うとは限りません。特定の問い合わせが増えている、ナレッジを探す時間が長くなっている、転送が増えているなど、原因は別の場所にある可能性があります。
そのため、KPIはすべてを同じように追うのではなく、「今、何を改善したいのか」に合わせて優先順位を付ける必要があります。
KPIを増やしすぎると改善できない理由
KPIが多いと、問題が見えなくなることがあります。
例えば応答率、AHT、CSATが同時に表示されているとしても、それだけでは「なぜ今日の結果が悪かったのか」は分かりません。必要なのは数字を増やすことではなく、異常が出た指標から、原因となる業務まで掘り下げられることです。
AHTが伸びたなら、どの問い合わせで伸びたのか。応答率が落ちたなら、どの時間帯に集中したのか。CSATが下がったなら、どの問い合わせで不満が増えたのか。こうした見方ができれば、KPIは単なる成績表ではなく、改善の起点になります。
まず目的を決める
KPIは「何を見るか」ではなく、「何を決めるために見るか」で整理すると使いやすくなります。
電話がつながらないなら、応答率、放棄率、待ち時間を見る。処理が重いならAHTや後処理時間を見る。問題が解決していないなら一次解決率や再問い合わせを見る。顧客体験に問題があるならCSATや品質評価を見る。
ここで重要なのは、同じ数字でも目的が違えば意味が変わることです。
例えばAHTが長いという事実だけでは、教育が必要なのか、問い合わせの難易度が上がったのか、システム操作が複雑なのか判断できません。KPIは原因そのものではなく、原因を探す入口として使うほうが実務に向いています。
受付・応答を見るKPI
「電話がつながりにくい」という問題なら、まず応答率、放棄率、平均待ち時間を確認します。
ただし、全体平均だけを見ると、問題が隠れることがあります。例えば一日の応答率が大きく変わっていなくても、特定の時間帯だけ放棄呼が急増している可能性があります。
その場合、センター全体の人員不足ではなく、繁忙時間とシフトのずれが原因かもしれません。
また、問い合わせ件数が増えていないのに待ち時間が伸びているなら、一件あたりの対応時間や後処理時間も確認する必要があります。
つまり、受付系KPIでは「数字が悪いか」よりも、いつ、どの業務で詰まっているかを見ることが重要です。

生産性を見るKPI
生産性を見る代表的な指標がAHTです。
ただし、AHTだけを短くすることは、必ずしも効率化ではありません。
例えば、オペレーターが説明を早く終えることでAHTが下がっても、顧客が問題を解決できず、後から再問い合わせをすれば、センター全体の対応量はむしろ増えます。
そこで、AHTを見るときは一次解決率や再問い合わせも合わせて確認します。
例えば、
AHTが短縮+一次解決率が維持
なら、対応効率が改善した可能性があります。
一方、
AHTが短縮+再問い合わせが増加
なら、処理時間だけを削った結果かもしれません。
重要なのは「一件を何分で終えたか」だけではなく、顧客の問題を実際に解決するまでに、センター全体でどれだけの処理が必要だったかです。
応対品質・顧客体験を見るKPI
CSATや品質評価が低下した場合も、すぐにオペレーターの対応品質だけを疑うべきではありません。
待ち時間が長かった、複数回の問い合わせが必要だった、担当者間で案内が異なったなど、顧客体験が悪化する原因は複数あります。
例えばCSATが低下した問い合わせを分類し、その中で一次解決率が特に低いカテゴリが見つかったとします。この場合、全員への接客研修よりも、そのカテゴリのFAQや業務フローを見直すほうが効果的かもしれません。
KPIを活用する際は、結果を示す指標と、その原因を探る指標を組み合わせることが重要です。
AI導入後に追加で見る指標
AIチャットボットなどを導入すると、従来のKPIだけでは効果を判断しにくくなります。
例えば「AIが10,000件対応した」という数字だけでは、実際に問い合わせが解決したのか分かりません。AIとの会話後に電話へ移行しているなら、有人対応の負荷が十分に減っていない可能性があります。
そのため、AI導入後は、AIで完了した割合、有人対応への移行、再問い合わせ、AIが対応できなかった問い合わせの種類などを見る必要があります。
ここでUdeskが公開しているHiltonの事例が参考になります。公式情報によると、HiltonではUdeskのデータ分析ツールを活用し、人とチャットボット双方のインタラクションデータを多角的に分析することで、カスタマーサービスプロセスの継続的な最適化につなげています。つまり、AIの利用件数だけを見るのではなく、人とAIの対応データを合わせて分析し、どこを改善すべきか判断するという考え方です。
この考え方は、AI導入後のKPI設計にもそのまま応用できます。例えば、AI利用後に電話へ移行する問い合わせが特定カテゴリに集中しているなら、そのカテゴリのナレッジやシナリオを見直す。逆にAIで安定して解決できている領域が分かれば、そこを自動化の対象として広げることができます。
Udeskの「洞察」は、こうした分析を行うためのレポート・ダッシュボード機能を提供しています。公式情報では、カスタムレポート、リアルタイムのダッシュボード、チームの作業負荷や生産性の分析、CSATのモニタリングなどが案内されています。
例えば、最初の画面には「応答率」「AHT」「一次解決率」「CSAT」など現在の重要指標だけを表示し、数字に異常があったときに、問い合わせ理由、時間帯、担当グループなどの詳細へ掘り下げる設計にします。これなら、KPIを増やし続けなくても、必要なときに原因を追跡できます。

まとめ
コールセンターのKPIが多すぎるときは、数字をさらに増やすのではなく、まず改善したい業務を決めることが重要です。受付なら応答率や放棄率、生産性ならAHTと一次解決率、品質ならCSATや品質評価というように、目的に応じて見る指標を絞ります。
また、KPIは単独で判断するのではなく、異常が起きたときに問い合わせ理由、時間帯、担当グループなどへ掘り下げ、原因を特定できる状態を作ることが重要です。特にAI導入後は、AIの対応件数だけでなく、問題解決や有人移行、再問い合わせまで確認することで、実際の業務改善につながっているかを判断できます。
Udeskの洞察は、カスタマーサービスのデータをレポートやリアルタイムダッシュボードで可視化し、業務負荷、生産性、CSATなどを多角的に分析して改善ポイントを把握できる分析ツールです。
FAQ
Q. KPIはすべて毎日確認すべきですか?
いいえ。現在の改善目的に関係する指標を優先して確認します。
Q. AHTが下がれば効率化できたと考えてよいですか?
いいえ。一次解決率や再問い合わせなども合わせて確認します。
Q. AI導入後に最初に見るべきことは?
AIの利用件数だけでなく、解決状況と有人対応への移行を確認します。
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本記事はUdeskのオリジナルであり、転載する際は出典を明記してください:https://www.udesk.jp/blog/news/guide/6493/
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