社内ヘルプデスクの問い合わせを減らすには?FAQ・ナレッジ・チャットの使い分け
記事概要:社内ヘルプデスクの問い合わせ削減に向け、FAQ・AIチャット・有人対応の使い分けを解説。新入社員のアカウントや端末申請など具体的な運用例も紹介します。
本記事の目次
社内ヘルプデスクへの問い合わせを減らすには、すべての質問をAIに任せるのではなく、内容に応じて「自分で調べる」「AIに聞く」「担当者に依頼する」に分けることが重要です。例えば、新入社員が入社初日に「社内Wi-Fiへの接続方法が分からない」「パスワードを忘れた」「PCを申請したい」という3つの問題に直面した場合、最初の2つはFAQやAIチャットで解決できても、PCの申請は担当者による処理が必要です。こうした役割を明確に分けることで、IT担当者が同じ質問に何度も対応する状況を減らせます。
社内ヘルプデスクで問い合わせが増える理由
社内問い合わせが増える理由の一つは、必要な情報がどこにあるのか分かりにくいことです。VPN、メール、業務ツール、アカウント権限、端末申請などの情報が複数のマニュアルやシステム、チャット履歴に分散していると、社員は一つずつ探すよりもIT担当者に直接聞くようになります。同じ質問が繰り返されることも大きな負担です。「パスワードの変更方法」「新入社員のアカウントはいつ発行されるのか」「プリンターをどう設定するのか」といった、すでに答えが決まっている内容まで毎回個別に説明していては、対応側の時間が減っていきます。そのため、まずは問い合わせを内容ごとに整理し、適切な対応方法へ振り分けることが必要です。
FAQで自己解決できる問題
FAQに向いているのは、回答が決まっていて、社員自身で処理できる問題です。例えば、社内メールのパスワード変更、VPN接続、プリンター設定、ログイン情報の再設定などが挙げられます。このような内容は、手順を分かりやすく整理しておけば、社員がその場で解決できます。
重要なのは、FAQを作ること自体を目的にしないことです。同じ質問が何度も発生するならFAQへの追加候補とし、FAQを見ても問い合わせが続くなら、タイトルや説明方法、手順そのものを見直します。実際の問い合わせをもとにFAQを更新していけば、単なる情報置き場ではなく、問い合わせを減らすための仕組みとして機能させられます。

AIチャットボットで補う問題
実際の社員は、FAQに書かれている見出しどおりに質問するとは限りません。「今日入社したばかりだけど、PCを受け取った後は何をすればいい?」「出張先からでもVPNを使える?」といった形で、自分の状況をそのまま入力することも多くあります。こうした質問にはAIチャットボットが適しています。FAQや社内マニュアルなどのナレッジをもとに、自然な文章で質問された内容に回答できれば、社員が「どのページを見ればいいのか」を自分で判断する必要がなくなります。
ただし、ナレッジにない情報まで無理に回答させるのは適切ではありません。回答できない内容は、そのまま有人対応へつなげる設計が必要です。
このような使い方は、すでに実際の企業でも行われています。Udeskの公式事例では、ソニーがテキストロボットを顧客対応だけでなく、社内ナレッジ検索や社員からの内部問い合わせにも活用し、社員から寄せられる簡単な定型問い合わせの80%以上を自動で解決したと紹介されています。こうした仕組みは、パスワード、社内ツールの操作、システム利用方法など、繰り返し発生する問い合わせとの相性が良く、IT担当者の対応負荷を抑える方法の一つになります。
人が処理する申請・例外
一方で、アカウント発行、権限変更、端末申請、承認、個別の例外対応などは、単に回答するだけでは終わりません。こうした業務では、AIが問い合わせ内容を確認して必要な情報を集め、そのまま担当者に引き継ぐ流れを作ると効率的です。例えば「新しいPCを申請したい」という問い合わせに対して、AIが申請条件を案内しながら部署や端末の種類など必要事項を確認し、その内容をもとにチケットを作成します。
その後、ITや総務の担当者が承認や端末の手配を行えば、社員が同じ情報を何度も入力する必要はありません。AIの役割を「すべて自動化すること」ではなく、「簡単な問い合わせを解決し、処理が必要な案件を整理して適切な担当者へ渡すこと」と考えると、運用しやすくなります。

ナレッジの更新運用
FAQやAIチャットを継続的に使うためには、回答のもとになるナレッジを最新の状態に保つ必要があります。パスワードルールの変更、VPN接続先の変更、業務システムの入れ替え、端末申請フローの変更などがあれば、関連するFAQやナレッジも同時に更新します。古い情報が残ったままだと、社員に誤った手順を案内することになるため、「誰が更新するのか」「どの変更が発生したら更新するのか」「誰が確認するのか」をあらかじめ決めておくと運用しやすくなります。特にアカウント、権限、セキュリティに関する情報は、各担当部署が正しい内容を管理し、更新した情報を共通のナレッジに反映する体制が必要です。
LLMナレッジベースを活用すれば、FAQやマニュアルなど社内に分散している情報をまとめ、AIによる問い合わせ対応にもつなげられます。
利用状況を分析する
導入後は、問い合わせ件数だけでなく「どこで解決したか」を見ることが重要です。FAQだけで解決したもの、AIチャットで回答できたもの、最終的に有人対応へ引き継がれたものを分けて確認すると、改善すべきポイントが見つかります。例えば、パスワード関連の質問が繰り返されているなら、FAQの内容やAIの案内を見直す必要があります。
一方で、特定の問い合わせが大量に有人対応へ回っているなら、ナレッジが不足しているのか、AIが質問を理解できていないのか、それとも最初から人による処理が必要な業務なのかを確認します。新入社員の入社時期にアカウント、端末、権限申請が集中するのであれば、こうした問い合わせを一つの入社支援フローにまとめることもできます。
まとめ
社内ヘルプデスクの問い合わせを減らすには、FAQ、AIチャット、有人対応を同じ役割として扱わず、それぞれの得意分野に分けることが重要です。定型的な質問はFAQ、自然な文章で確認したい内容はAIチャット、アカウントや権限、端末、承認など実際の処理が必要なものは担当者へ引き継ぎます。そして、実際の問い合わせ履歴をもとにナレッジを更新し続けることで、同じ質問が繰り返される状態を減らせます。
Udeskでは、AIチャット、LLMナレッジベース、チケット管理をつなげ、社内問い合わせを「自己解決→AI対応→有人処理」という一つの流れで管理できます。
FAQ
Q. FAQとAIチャットボットの違いは何ですか?
FAQは決まった情報をすぐ確認するのに向いており、AIチャットは自然な文章で質問したい場合に適しています。
Q. アカウント申請もAIだけで完結できますか?
申請方法の案内や情報収集はAIで行えますが、承認や実際のアカウント発行は担当者が処理する設計が適しています。
Q. 最初に整理すべき問い合わせは何ですか?
問い合わせ件数が多く、回答が明確で、同じ内容が繰り返される問題から整理すると効果を出しやすくなります。
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