ライブチャットとAIチャットボットはどう使い分ける?有人・AIの役割分担を設計する
記事概要:ライブチャットとAIチャットボットの違いを整理し、AIとオペレーターを使い分ける考え方を解説。問い合わせの種類、切り替え条件、導線設計、KPIまで紹介します。
本記事の目次
ライブチャットとAIチャットボットの違い
「ライブチャットがあるのに、なぜAIチャットボットを追加するのか」と考える企業は少なくありません。両者はどちらもWeb上で顧客と会話するため、機能だけを比較すると違いが分かりにくいからです。
しかし、運用設計の観点では役割が異なります。
ライブチャットは、オペレーターが顧客とリアルタイムに会話しながら、その場で状況を確認し、判断できます。一方、AIチャットボットは、あらかじめ整備された情報やルールをもとに、顧客からの問い合わせに自動で対応します。
重要なのは「AIか人か」という二択ではありません。問い合わせを、すぐ答えられるか、判断が必要か、どの程度の即時性が求められるかで分けることです。
AIに任せる問い合わせ
AIチャットボットに向いているのは、回答に必要な情報が整理され、判断手順もある程度標準化できる問い合わせです。
例えばSaaSなら、料金プラン、基本操作、対応環境、アカウント設定などが該当します。ECなら、配送方法、注文手順、キャンセル条件などが考えられます。
ここで「FAQにある質問ならAI」と単純に決める必要はありません。
同じ「返品できますか」という質問でも、返品期限や商品状態によって結果が変わるなら、AIが必要な条件を順番に確認する設計が必要です。逆に、条件が明確で、回答後に顧客自身が次の行動を取れるなら、自動化との相性がよくなります。
判断の目安を整理すると、次のようになります。
| 即時性が高い | 即時性が低い | |
|---|---|---|
| 判断が少ない | AI向き:FAQ、操作案内、基本情報 | AI向き:記事・手順の案内 |
| 判断が多い | 人向き:個別条件、トラブル | 人向き:複雑な相談、調査案件 |
この四象限の考え方を使うと、「AIにどこまで任せるか」を機能ではなく業務単位で決められます。
UdeskのAIチャットボットも、企業のサポート情報をもとに問い合わせへ対応し、AIだけでは完結しにくい問い合わせを人へつなぐ仕組みとして公式に案内されています。
オペレーターが対応する問い合わせ
人が対応すべきなのは、単に「難しい質問」ではありません。
より重要なのは、回答に判断責任が伴う問い合わせです。
例えば、顧客の契約状況を確認した上で返金可否を判断するケース、複数の条件から例外対応を決めるケース、トラブルの経緯を聞きながら対応方針を決めるケースなどです。
こうした問い合わせでは、顧客が最初に何を言ったかだけでなく、その後の会話によって判断材料が変わることがあります。固定された回答を返すだけでは対応しにくいため、オペレーターが会話の文脈を見ながら処理するほうが適しています。
また、顧客が強い不満を示している場合も、無理にAIだけで完結させる必要はありません。
日本では電話やSNSだけでなく、顧客対応における組織的な対策が求められます。Webチャットでも、AIによる自動化の範囲と、人が介入する条件を事前に決めておくことが重要です。

途中で人へ切り替える条件
AIと人の使い分けで最も重要なのは、最初の振り分けよりも途中で切り替える条件です。
例えば、次のような条件を設定できます。
「質問の内容だけでは判断できない」
「顧客ごとの契約情報を確認する必要がある」
「複数の例外条件が関係する」
「顧客が強い不満を示している」
「AIが参照できる情報だけでは回答を確定できない」
ここで大切なのは、「AIが自信を持てるか」ではなく、業務上、人の判断が必要かどうかで判断することです。
特に生成AIでは、自然な文章で回答できても、その内容が業務上正しいとは限りません。したがって、「分からないときだけ人へ」ではなく、「この条件になったら人へ」という業務ルールを決めておくほうが運用しやすくなります。
両者を一つの導線にする
AIチャットボットとライブチャットを別々の窓口として運用すると、顧客が「どちらを使えばいいのか」で迷います。
そこで、入口は一つにして、問い合わせ内容によって次の処理を変える設計が考えられます。
まずAIが質問内容を確認する。
↓
標準化された問い合わせならAIが回答する。
↓
追加確認が必要なら必要な情報を聞く。
↓
判断や個別対応が必要になった段階でオペレーターへ切り替える。
この形なら、人工対応を最初から全件に割り当てる必要がなくなります。
さらに重要なのは、AIから人へ切り替わるときに、顧客が最初から説明し直さなくて済むことです。会話の途中で発生した情報を後工程でも利用できれば、AIと人を別システムとして運用するより、顧客体験を一つにつなげやすくなります。

運用KPI
導入後、「AIで何件処理できたか」だけを見るのは不十分です。
まず確認したいのは、AIだけで完了した割合と、人へ切り替わった割合です。ただし、引き継ぎ率が低ければ必ずしも成功とは限りません。
例えば、本来は人が対応すべき質問までAIが抱えてしまえば、表面上の自動化率は高くなります。その結果、顧客が途中で離脱したり、再度問い合わせをしたりするなら、運用としては改善していません。
そのため、
AIだけで完了した割合
人への切り替え率
途中離脱率
再問い合わせの発生状況
を合わせて確認します。
見るべきなのは「AIがどれだけ仕事を奪ったか」ではなく、人が本当に判断すべき仕事へ集中できる構造になったかです。
まとめ
ライブチャットとAIチャットボットは、どちらか一方を選ぶものではありません。問い合わせを「判断の少なさ・多さ」と「即時性」の二軸で整理すれば、AIとオペレーターが担当する範囲を業務ごとに決められます。
定型的な質問はAIに任せ、個別判断や例外対応は人が担当する。そして、AIから人へ切り替える条件と、その後も会話を途切れさせない導線まで設計することが、両者を効果的に使い分けるポイントです。
UdeskのAIチャットボットは、ナレッジをもとに顧客の問い合わせへ自動応答し、必要に応じて人による対応へつなげる仕組みを提供しています。
FAQ
Q. ライブチャットとAIチャットボットはどちらが優れていますか?
優劣ではなく、問い合わせの性質に応じて使い分けることが重要です。
Q. AIから人へ切り替える基準は?
個別判断、例外処理、確認不足など、人の判断が必要になった時点で切り替えます。
Q. KPIは自動化率だけでよいですか?
いいえ。完了率、引き継ぎ、離脱、再問い合わせも合わせて確認します。
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本記事はUdeskのオリジナルであり、転載する際は出典を明記してください:https://www.udesk.jp/blog/news/guide/6441/
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