AIカスタマーサポート導入時のセキュリティ対策|個人情報保護の実務
記事概要:AIカスタマーサポートシステム導入時に必要な個人情報保護とセキュリティ対策を解説します。データ保存地域、AI学習への利用、データ分離、アクセス管理など、日本企業が確認すべき実務ポイントを整理します。
本記事の目次
AIによる問い合わせ対応では、顧客との会話そのものが個人情報を含む可能性があります。AIカスタマーサポートシステムを導入する際は、回答精度や自動化率だけでなく、AI客服 セキュリティと個人データの利用範囲を導入前に確認する必要があります。
AIカスタマーサポートで個人情報が問題になる理由
従来のチャットボットと比べ、生成AIを利用するカスタマーサポートでは、入力された文章を解析し、ナレッジを検索しながら回答を生成します。
顧客が氏名、電話番号、注文番号、住所などを入力すれば、その情報がAI処理の対象になる可能性があります。そのため、個人情報 AI 取り扱いを考える際には、「保存されるか」だけではなく、「どこで処理されるか」「誰がアクセスできるか」「モデル学習に利用されるか」まで確認する必要があります。
個人情報保護委員会も、事業者が生成AIへ個人情報を入力する場合には、利用目的の範囲内であることを確認するよう求めています。また、本人の同意なく個人データを入力する場合には、AIサービス提供者がそのデータを機械学習など別の目的に利用しないことを十分確認する必要があると注意喚起しています。

個人情報保護法で確認すべきポイント
日本の個人情報保護法では、個人データの漏えい、滅失、毀損などを防ぐため、事業者に必要かつ適切な安全管理措置を求めています。具体的にはアクセス制御、不正アクセス対策、組織内の管理体制などが対象になります。
AIカスタマーサポートでも考え方は同じです。AIだけを特別なシステムとして扱うのではなく、問い合わせ管理、CRM、チャット履歴、ナレッジベースを含め、顧客データがどのように移動するのかを確認することが重要です。
なお、2026年7月には改正個人情報保護法が公布されていますが、主要部分は公布から2年以内に政令で定める日に施行される予定です。そのため、現時点では既存の個人情報保護法とガイドラインを基準に運用しつつ、今後の施行内容も確認していく必要があります。
データの保存場所を確認する
クラウド型のAIカスタマーサポートシステムでは、データ保存地域も確認項目になります。
ただし、日本の個人情報保護法がすべての個人データについて国内保存を義務付けているわけではありません。海外のサーバーを利用する場合には、サービス事業者がデータをどのように取り扱うかを確認したうえで、外国の制度を含む外的環境を把握し、安全管理措置へ反映することが求められます。
そのため、システム選定時には次のような項目を確認するとよいでしょう。
| 確認項目 | 導入前に確認する内容 |
|---|---|
| データ保存地域 | 日本国内または希望する地域を選択できるか |
| AI学習 | 顧客データが共有モデルの学習に利用されるか |
| データ分離 | 他企業のデータと論理的または物理的に分離されるか |
| アクセス管理 | 担当者ごとの閲覧権限を設定できるか |
| 保存期間 | 会話履歴をいつまで保存するか設定できるか |
| 委託先管理 | 再委託先やクラウド事業者を確認できるか |
特に生成AIでは、入力データをモデル改善へ利用するサービスもあるため、学習への利用可否とオプトアウト条件を契約時に確認することが大切です。
「学習データを分ける」設計が必要になる
企業向けAIでは、自社の問い合わせ履歴やFAQを利用して回答精度を高めるケースがあります。
ここで必要なのは、自社データをAIに使わないことではなく、どのデータを、どの目的でAIに利用するかを管理できる状態にすることです。
例えば、製品マニュアルや公開FAQは回答生成に利用し、氏名や住所を含む問い合わせ履歴は学習対象から除外するといった設計が考えられます。また、企業ごとのデータ領域やアクセス権限を分離することで、他社データとの混在を防ぐことも必要です。
クラウド事業者を任せきりにしない
クラウドサービスを利用していても、個人情報管理の責任がすべてサービス提供者へ移るわけではありません。
個人情報保護委員会は2024年、クラウド型業務システムへのランサムウェア攻撃を受け、クラウドサービスの利用が個人データ取扱いの委託に該当する場合には、利用企業側にも委託先を適切に監督する必要があると注意喚起しました。サービスの機能だけでなく、セキュリティ対策や責任分担を契約上明確にすることも求めています。
AIカスタマーサポートでも、認証を取得しているから安全と判断するのではなく、データ保管場所、アクセス権限、暗号化、ログ管理、障害時の対応などを合わせて確認する必要があります。

UdeskでAIカスタマーサポートのセキュリティを管理する
Udeskでは、AIチャットボットやAI Agent、問い合わせ管理などを同一のカスタマーサービス基盤で運用できます。
セキュリティ面では、Udesk公式サイトでISO 27001、SOC 2 Type IIなどの認証・基準への対応を掲げており、企業向けAI AgentについてもSOC 2対応を案内しています。
また、Udeskはグローバル運用向けに、日本を含む複数地域へサーバーノードを配置し、地域ごとのデータレジデンシーに対応する構成を案内しています。企業や国ごとのデータ分離、アクセス権限管理にも対応しているため、日本市場でAIカスタマーサポートを導入する場合には、必要な保存地域や運用条件を確認したうえで環境を設計できます。
AIカスタマーサポートシステムを選ぶ際には、AIの性能だけで比較するのではなく、「顧客データがどこへ行き、何に使われ、誰が閲覧できるのか」を説明できる製品かどうかを見ることが大切です。
FAQ
Q:AIカスタマーサポートに個人情報を入力しても問題ありませんか?
A:個人情報を入力すること自体が一律に禁止されているわけではありません。ただし、利用目的の範囲内であることや、サービス提供者が入力データを機械学習など別の目的へ利用しないかを確認する必要があります。
Q:AIカスタマーサポートのデータは日本国内に保存する必要がありますか?
A:すべての個人データについて国内保存が義務付けられているわけではありません。一方、海外で個人データを保存する場合には、保存先の国や地域における制度を把握し、適切な安全管理措置を講じる必要があります。
Q:AIカスタマーサポートシステムを選ぶ際に最も確認すべき点は何ですか?
A:データ保存地域だけでなく、AI学習への利用条件、企業間のデータ分離、アクセス制御、保存期間、委託先管理をまとめて確認することが大切です。UdeskのようにAI機能と顧客対応基盤を一体で提供するシステムでは、導入時に日本向けのデータ保存条件やセキュリティ要件を確認し、自社の個人情報管理方針に合わせて設計するとよいでしょう。
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本記事はUdeskのオリジナルであり、転載する際は出典を明記してください:https://www.udesk.jp/blog/news/guide/5461/

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