CSAT・NPS・CESの違いと測り方|顧客満足度を正しく評価する方法
記事概要:CSAT・NPS・CESの違いと特徴、測定方法や質問例、データの分析・活用方法をわかりやすく解説。顧客満足度を正しく把握し、継続的な顧客体験の改善につなげるポイントを紹介します。
本記事の目次
企業が顧客体験の良し悪しを判断する際、単に問い合わせ件数や高評価の割合だけを見るのでは十分ではありません。
CSAT・NPS・CESの定義と使い方
CSAT(Customer Satisfaction Score:顧客満足度)は、顧客が特定のサービスや体験にどの程度満足したかを測る指標です。カスタマーサポート終了後、購入完了後、問い合わせ解決後などに利用されます。例えば、「今回の対応にどの程度満足しましたか?」といった質問を1~5点などで評価してもらいます。
NPS(Net Promoter Score:正味推奨者比率)は、顧客が企業やサービスを他人に推奨したいと思うかを測る指標です。「このサービスを友人や同僚に薦める可能性はどの程度ありますか?」と0~10点で回答してもらい、9~10点を付けた「推奨者」の割合から、0~6点を付けた「批判者」の割合を引いて算出します。
CES(Customer Effort Score:顧客努力指標)は、顧客が問題を解決したり、目的を達成したりする際に、どの程度の負担を感じたかを測定します。何度も同じ説明をする、担当者への転送を待つ、必要な情報を探すといった手間を把握するのに適しており、カスタマーサポートや返品・交換、オンラインサービスなどで活用されています。
簡単に整理すると、CSATは「満足しているか」、NPSは「他人に薦めたいか」、CESは「問題解決に手間がかからなかったか」を見る指標です。
顧客満足度調査の設計方法|CSAT・NPS・CESの質問例
アンケートを作成する前に、まず調査の目的を明確にしましょう。
質問はできるだけ簡潔かつ具体的にし、顧客が直前に経験した内容について回答できるようにすることが重要です。
CSATの質問例
「今回の対応にどの程度満足しましたか?」
「今回の商品購入体験にどの程度満足しましたか?」
「問題が解決されたことに満足していますか?」
NPSの質問例
「このサービスを友人や同僚に薦める可能性はどの程度ありますか?」
「今後も当社のサービスを利用したいと思いますか?」
「当社の商品を他の人に薦めたいと思いますか?」
ただし、NPSでは「満足度」と「推奨意向」を混同しないことが重要です。NPS本来の測定ロジックに沿って、推奨する可能性を尋ねる必要があります。
CESの質問例
「今回の問い合わせは簡単に解決できましたか?」
「問題を解決するまでの手続きは分かりやすかったですか?」
「この評価を選んだ理由を教えてください。」
数値から分かるのは「何が起きたか」ですが、顧客のコメントからは「なぜそうなったのか」を把握しやすくなります。
主要な指標を尋ねる質問1つと、その理由を確認する質問1つだけでも、有効なフィードバックを得られる場合があります。

アンケートの回答率を高めるには?質問数よりも送信タイミングが重要
CSATやCESは、カスタマーサポート、クレーム対応、問題解決などが終了した直後に実施するのが適しています。顧客の記憶が新しいため、具体的な体験をもとに回答してもらいやすくなります。例えば、オンラインチャット終了直後に満足度調査を表示するほうが、数日後にメールでアンケートを送るより正確な評価を得やすいでしょう。
購入に関する調査は、注文完了後、商品到着後、初回利用後など、顧客が実際に商品やサービスを体験したタイミングで実施します。一方、NPSは月次・四半期など定期的に測定し、顧客との長期的な関係性を追跡する方法が適しています。問い合わせのたびにNPSを尋ねる必要はありません。
また、アンケートの送信頻度にも注意が必要です。質問数を増やすよりも、数秒で回答できるシンプルな調査設計を意識することが重要です。
CSAT・NPS・CESの分析方法|一つの数字だけで判断しない
調査結果を得た後に重要なのは、「数値が高いか低いか」だけを見ることではありません。特に、以下のポイントに注目しましょう。
第一に、推移を見ること。
1回だけの数値では、顧客体験が改善したかどうかを判断しにくいものです。例えばNPSが「+15」から「+27」に上昇した場合、全体的な推奨意向が改善したと考えられます。複数の期間にわたって変化を追うことで、実施した施策の効果を判断しやすくなります。
第二に、顧客層ごとの差を見ること。
全体のCSATに大きな変化がなくても、新規顧客、既存顧客、高価値顧客などに分けると異なる傾向が見える場合があります。顧客属性、商品、地域、利用段階などでデータを分けて分析することが重要です。
第三に、チャネルごとの差を見ること。
電話、メール、オンラインチャットなどでCSATに大きな差がある場合は、その原因を確認する必要があります。特定のチャネルで応答が遅い、転送が多い、情報が不足しているなどの問題が発生している可能性があります。
第四に、低評価の背景を確認すること。
スコアそのものは結果を示すだけであり、自由記述や問い合わせ履歴、チケットの内容を分析することで、具体的な原因を把握できます。例えばCESが継続的に低い場合でも、「同じ情報を何度も入力している」のか、「FAQから必要な情報を見つけられない」のかによって、必要な改善策は異なります。
第五に、スコアの方向性を確認すること。
特にCESは、質問形式によって「高いほど良い」場合と「高いほど負担が大きい」場合があります。分析する前に、自社が採用している質問と評価方法を確認しておかなければ、結果を逆に解釈する可能性があります。
また、「業界平均」を唯一の基準として考えることもおすすめできません。自社の過去データと比較し、継続的な変化を確認するほうが、実際の業務改善につながりやすいでしょう。

調査結果を実際の改善につなげるには?スコアは出発点
顧客満足度調査の本当の価値は、月次レポートを作成することではありません。顧客体験のどこに問題があるのかを発見し、具体的な改善につなげることにあります。
CSATが低下した場合は、応答時間、回答の正確性、問題解決率など、具体的なサービスプロセスに戻って原因を確認します。一方、NPSの低下は、カスタマーサポートだけが原因とは限りません。商品、アフターサービス、ブランド体験など、より広い範囲から原因を分析する必要があります。
そのため、スコアだけではなく、VoC(顧客の声)や問い合わせ履歴などの情報と組み合わせて分析することが重要です。「スコアが下がった」は問題のサインであり、「なぜ下がったのか」を明らかにすることが改善の出発点になります。
CSAT・NPS・CESを継続的な改善サイクルにつなげるには?
顧客体験の指標は、「一度調査して、年末にまとめる」という使い方では十分な効果を発揮できません。より実践的なのは、次のような継続的なサイクルを構築することです。
課題を明確にする → 指標を選ぶ → フィードバックを収集する → 原因を分析する → 改善を実施する → 再度測定する
例えば、カスタマーサポートにおけるCESが継続的に低い場合、まず低評価がどの問い合わせ内容に集中しているのかを分析します。そのうえで、顧客が複数のチャネルで同じ内容を繰り返し説明していないかなどを確認します。改善策を実施した後、次回のCESを測定することで、顧客の負担が実際に減少したのかを確認できます。
Udeskの導入事例にも、このようにサービスプロセスを改善し、顧客体験の向上につなげる考え方が表れています。J&T Expressでは、グローバルで15カ国以上、25以上の地域に事業を展開する中、国ごとに電話、メール、チャット、ソーシャルメディアなど複数のチャネルを利用していたため、顧客情報が分散しやすく、人的な対応も応答効率に影響していました。Udeskは、マルチチャネルの顧客コミュニケーションを統合し、AIチャットボット、統合ナレッジベース、顧客360度ビュー、分析・レポート機能などを活用して、サービスプロセスを一元管理できる環境を構築しました。導入後はグローバルなカスタマーサービス体制の拡張につながっています。
まとめ
CSATは満足度、NPSは推奨意向、CESは問題解決のしやすさを測る指標です。どれか一つが絶対的に優れているわけではありません。重要なのは、調査目的に合わせて適切な指標を選び、継続的に変化を追跡し、原因を分析したうえで改善につなげることです。顧客の声を実際のカスタマーサポートや業務改善につなげてこそ、顧客満足度データは単なるレポートではなく、企業の成長につながる情報になります。
Udeskは単なるカスタマーサポートツールではなく、複数チャネルの顧客コミュニケーション、対応履歴、分析機能などを連携させることで、顧客から得たフィードバックをその後のサービス改善につなげる環境を構築できます。
FAQ
Q1:CSAT・NPS・CESは同時に利用できますか?
はい。ただし、毎回すべての指標を一度に調査する必要はありません。CSATは具体的なサービス対応の評価、CESは業務プロセスにおける顧客の負担の把握、NPSは企業やサービスに対する長期的な顧客ロイヤルティの確認に適しています。
Q2:CSAT・NPS・CESは何点なら優秀ですか?
すべての業界に共通する基準はありません。顧客層、調査チャネル、評価方法などによって結果は変わるためです。そのため、まずは自社の過去データを基準にし、前四半期と比較して改善しているか、施策の実施前後で変化があったかなど、長期的な推移を確認することをおすすめします。
Q3:顧客満足度調査を実施しているのに、改善につながらないのはなぜですか?
最もよくある原因は、スコアを収集するだけで、その理由を分析していないことです。企業は自由記述、問い合わせ履歴、問い合わせ内容などを組み合わせて、低評価の原因を特定する必要があります。そのうえで具体的な改善策と担当者を決め、次回の調査で効果を検証します。
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本記事はUdeskのオリジナルであり、転載する際は出典を明記してください:https://www.udesk.jp/blog/news/guide/5760/
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